スーパー・ジェネレイション / キャラメル・ママ雪村いづみ

服部良一ファンでありナイアガラーであるのになんでこのアルバムの存在をもっと早く知っていなかったんだろうって思います。「ティン・パン・アレィ（キャラメル・ママ）」系の音源は数枚持ってますがあまり深く追うことはなかったようです。今ほど情報が手軽に検索できることもなかったので雑誌等で知るタイミング逸すると出会えないこともあるんですね。そんなとき、信頼できるレビュアーの影響を受けることは低いコストで世界を広げることが出来るようです。今回図書館で入手したのですが、図書館で予約のきっかけはいつもお世話になっているこのブログのおかげでした。このような素晴らしいアルバムを聴けるきっかけに感謝です。
むぎ茶の昭和懐メロ&CMソング大特集: 雪村いづみ　スーパー・ジェネレーション　(アルバム)

序曲(香港夜曲)
作曲:服部良一
明らかにTin Pan Alleyの「Hong Kong Night Sight」へ続く曲。

昔のあなた
作詞:山上路夫/作曲:服部良一
このアルバム制作時の書き下ろし作品

ヘイヘイブギー
作詞:藤浦洸/作曲:服部良一

バラのルムバ
作詞:村雨まさを/作曲:服部良一

銀座カンカン娘
作詞:佐伯孝夫/作曲:服部良一

東京ブギウギ
作詞:鈴木勝/作曲:服部良一

胸の振子
作詞:サトウハチロー/作曲:服部良一

一杯のコーヒーから
作詞:藤浦洸/作曲:服部良一

蘇州夜曲
作詞:西條八十/作曲:服部良一

東京の屋根の下
作詞:佐伯孝夫/作曲:服部良一

別れのブルース
作詞:藤浦洸/作曲:服部良一

編曲(1)村井邦彦 (2〜10)キャラメル・ママ、服部克久 (11)前田憲男
このアルバムでの音源は前述のブログでの解説にお任せし、ここでは各オリジナル曲の動画を貼り付けてみました。

そしてこのアルバム評価の基本は、リズムアレンジのキャラメル・ママを評価するべきなのでしょうね。やはりブギやルンバの74年時点でこのリズム系アレンジは秀逸でした。大瀧師匠もそうであったように、当時20代の彼らは自分たちの音楽起源の洋楽と同等に日本におけるポップス歴史に詳しかったであろうことは想像できるし、単にオリジナルをその時は流行りのロックに変えてしまうことでないアレンジ素晴らしい。2010年現在聴いても時代を感じさせない不思議な魅力を出しています。それ故にこのアルバムのタイトルなのかと改めて感心させられました。昨今の自分はこんな風にやってみました的なトリビュートアルバムにあまり感じられない服部良一氏に対する深いリスペクトを感じさせてくれる演奏でした。このCD版にはボーナストラックで全く関係の無い時期にレコーディングされた「別れのブルース」が収録されています。この前田憲男アレンジも素晴らしいのですがやはり全体の中では違和感を感じてしまいます。ティン・パン・アレイものでレアな音源は無かったのでしょうかね、ちょっと残念です。
湯浅学氏のライナーによると、雪村いづみ20周年記念リサイタル合わせて制作された3000枚限定の自主流通版であったのですね。企画はあの川添さんアルファ・アンド・アソシエイツです。このオリジナルアルバムおそらくものすごいプレミアでしょうから、所有しなくてもいいけど見てみたいです。
それにしても、このアルバムがこれだけ素晴らしいと、それよりも前に加藤和彦氏が同様の企画をしていたが実現しなかったというサディスティック・ミカ・バンドによる幻のセカンドアルバム「駅前旅館”(仮称)」が聴いてみたくなりますね。

ディレクター川添象郎
リズム・セクション・アレンジ　キャラメル・ママ
ホーン・アンド・ストリングス・アレンジ　服部克久
オーバーチュア・アレンジ　村井邦彦
レコーディング・エンジニア　瀬戸宏征
ディレクター・アシスタント　有賀恒夫
リズム・セクション　キャラメル・ママ
　キーボード　松任谷正隆
　エレキ・ギター　鈴木　茂
　エレキ・ベース　細野晴臣
　ドラム　林立　夫
ジャケット・デザイン　佐藤憲吉
フォト　沢渡　朔
プロダクション・スーパービジョン　金子充孝